Nostalgia ~Compilation of 7 Colors~
![]() | ■名称:Nostalgia ~Compilation of 7 Colors~ |
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15 Songs in Nostalgia
| 1 | リナリア | 初音ミク | アカサコフ | |
| 2 | StargazeR | 初音ミク | 骨盤P | |
| 3 | 青空を見つけた日 | 初音ミク | GonGoss | |
| 4 | Honest Love | 初音ミク | たかP | |
| 5 | たんぽぽ(ロックバージョン) | 初音ミク | TuKuRu | |
| 6 | 風切羽(かぜきりばね) | 初音ミク | 兄弟P | |
| 7 | 桜吹雪 | 初音ミク | ぢょんP | |
| 8 | message | 初音ミク | 骨盤P | |
| 9 | リナリア第二章 | 初音ミク | アカサコフ | |
| 10 | 愛の言葉 | 初音ミク | TuKuRu | |
| 11 | そよ風のリズム | 初音ミク | GonGoss | |
| 12 | 勧酒 | がくっぽいど | たかP | |
| 13 | Machine Meiden(マシーンメイデン) | 初音ミク | 兄弟P | |
| 14 | いつしか | 初音ミク | ぢょんP | |
| 15 | Keep Your Small Happiness | 初音ミク | TuKuRu |
Liner Notes
たかP主導によるコンピレーションアルバムが出る――その話を聞いたときの僕の衝撃を説明することは、余人にも、僕自身にとってすらも容易ではない。
思えば、たかPとの出会いは奇妙なものだった。2007年の秋、初めてたかPの曲を聴いたとき、僕はまだ名も無きミク廃のニコ厨で、たかPもマイリストにうp主名は記載されているとはいえ、どこの誰とも知らぬ存在だった。当然、僕たちが出会うことなどは一生あるまいと考えていた。
いや、たかPと僕だけではない。その頃は誰もが、うp主と聴き専が顔を合わせることなど永遠にない――そう思い、それ故に皆が叶わぬ初恋を繰り返すような気分を抱いていた頃だ。
それから数ヶ月後の2008年3月、僕とたかPはボカロイベントである「ボーカロイドにゃいと!」で出会うことになる。会ってみれば同じ30代、ミク界隈だけでなく社会的な立場も似通っており、意気投合して毎週のように飲むようになるのだが――と、前置きが長くなってしまった。
とにかく、そうして出会ったたかPの印象は「先生」であった。
たかPはそのとき既に、ボカロSNS「ボーカロイドにゃっぽん」のコミュニティ、「ネギでもわかるDTM講座」の講師を担当しており、「ようじょ先生」として、全力で釣られた後進たちの育成に努めていた。
その生徒の中に、今回のアルバムにも参加しており、ミク黎明期に神調教の「奇跡の海」で話題をさらったTuKuRuが居たのは、やはりようじょを騙ったたかPの背徳の成せる業というほかはない。
実は私はこのCDの準備コミュニティに取材班として中途から参加させていただいたのだが、このTuKuRuをはじめ、たかPのようじょアバターに引き寄せられるように、GonGoss、ぢょんP、アカサコフ、兄弟P、骨盤Pら、そうそうたるメンバーがホイホイされるている様は、まさに圧巻の一言に尽きた。彼らが生み出した「奇跡の海」「White letter」「くじら12号」「リナリア」「Machine meiden」「Stargazer」と並べれば、ミク厨であれば一度は必ず通る曲である。ましてや、ミク廃を自認する僕の興奮たるや――お前ら、そんなにようじょが好きか、と。
そんな彼らが一堂に会してコンピレーションアルバムを作成するという。
この事実に歓喜するよりも僕は、底知れぬ戦慄、あるいは恐怖とすら呼べる感情と、そしてある種の痛快さを感じた。
これを読んでいるあなたならわかるだろう。彼らは誰もが認める名曲を生み出しながら、100万、50万のメガヒットが続発するニコニコ動画においては、再生数に決して恵まれているわけではない。
稀有な実力を有していながら、彼らは実に地味な存在だったのだ。
一方、ボカロシーンは2008年に入って確実に次の段階へと進んだ。若く、才能に溢れ、華やかなPたちによるアルバムが続々と発表された。イベントではそれらのアルバムを誰もが手にし、賞賛を惜しまない。うp主は固有のP名を持ったスターとなり、聴き専との交流も当たり前になった。
私もまたこのような状況の中で嬉々としてアルバムを手にし、交流を喜んだファンの一人だ。
しかしその興奮が当たり前となったとき、僕は何かが足りないと感じ始めていた。
明るい境内で毎日続くお祭りの最中、ふと振り返ってみても、どこにも神社裏の暗い森が見あたらない――そんな不安と言えば、少しはわかっていただけるだろうか?
そんなとき、このコンピレーションのコンセプト「Nostalgia」を聞いて、僕ははっとした。胸のつかえが一気に取れ、気付いたのだ。そう、今の明るいばかりのボカロシーンに足りないものは「加齢臭」であったと。コンセプト楽曲である、たかPによる「Honest Love」を耳にして、それは確信となった。敢えて言おう、ここにボカロシーンで初めて、真のおっさんホイホイアルバムが誕生したと!
誤解しないで欲しい。おっさんホイホイとは、ただ30代以上にお勧めという意味ではない。 おっさんホイホイ、それは今の若者たちがおっさんになったときにも聴くことが出来る、全時代(そう、全世代ではないのだ!)的な揺るぎない作品の象徴、永遠なる信頼のブランドなのである!
おっさんホイホイを真剣に体現してみせようとすることは、実に危険なことだ。なにせおっさん臭いだけに、なまなかな実力では笑いものになる。若さは彼らの武器ではないから、失敗も愛嬌にはならない。
だが、彼らなら……いや、現在のボカロシーンを見渡せば、これは彼らにしか出来ないことなのだ! この7人にしか!
その道を、彼らは誰に求められるでもなく選び取り、そしてやってのけるだろう。
その姿は、文字どおり7人の侍のごとく痛快無比と言わざるを得ない! なにせこれは、老いも若きも浮かれ騒ぐ現代ボカロシーンに突然、物言わぬ重厚なモノリスがどん! と振ってくるようなものだからだ。誰もが振り向き、目を剥くことだろう。
このモノリスが広げるものは波紋ではなく亀裂である。それはミクが生まれて1年半、ボカロアルバムが発売され始めてからも1年以上遅れて、2009年2月22日、ボーマス7というシーンの一隅から始まる。真打ちは遅れてやってくるのである。そしてこれから、誰もがその意味を考えることになるだろう。
そして僕はと言えば、僕自身のボカロシーンを必ずや破壊し、解放してくれるであろうこのアルバムのトラックダウンを、怖いもの見たさに近い気持ちで、ゾクゾクしながら待ち詫びているのである。
ミク廃ホワイト:TBH@鳥生




